TCPのポート間接続について

はじめまして。最近TCP/IPを勉強し始めたKOJIと申します。
そこで質問があります。

①第2章のP69の図2・5でTCPコネクションはパイプのようなものでクライアントとサーバーを論理的にパイプのようにつないでデーターを流すとのことですが実際は接続はされていないことなのでしょうか?
論理的につなぐということがどうもイメージしにくいので御回答お願いします。

②第4章のp182の図4・2で最寄りの電話局からATM網につながるところでPOI
の位置はどこになるのでしょうか?
よくWAN回線に接続する図にPOIという相互接続点が記載されている例が多いのですがこの図には記載されていないので必要ないのでしょうか?

初心者のため理解不足のところもありますが御回答お願いします。

名前: 
KOJI
日時: 
03/01/20 10:48

コメント

KOJIさん,はじめまして。

>①第2章のP69の図2・5でTCPコネクションはパイプのようなものでクライアントと
>サーバーを論理的にパイプのようにつないでデーターを流すとのことですが実際は
>接続はされていないことなのでしょうか?
>論理的につなぐということがどうもイメージしにくいので御回答お願いします。

もちろん,クライアントとサーバの間にはケーブルやネットワーク機器があって,
それで物理的に接続されています。
ただ,そのケーブルやネットワークは,特定の機器の間を接続するのではなく,
多数の機器が同時に通信できるよう,それを全部結んでいると考えればよいでしょう。
ネットワークでデータを送るときは,小さなパケットにデータを格納して運びますが,
そのパケットの先頭に受け手のアドレスを書けば,そこにパケットが届くわけです。
ただ,実際のデータ送受信動作では通信エラーなどが起こりますから,
アプリケーションがパケット一つ一つの動きを監視して
データ送受信動作を行うのは面倒なので,
パケット一つ一つの動きを監視する役割を一つにまとめて,
それをいろいろなアプリケーションが利用する形をとります。
その役割を持ったソフトウェアというかプロトコルがTCPです。
TCPはデータ送受信動作を行う前に論理的にデータ転送路を作り,
そして,アプリケーションはその転送路にデータを流します。
すると,そのデータが相手に届くということです。
アプリケーションは転送路を指定して,そこにデータを送れば,
相手に届くわけですから,パケット一つ一つの動きを監視するような面倒はありません。
そして,データ送受信動作が終わったら,転送路を抹消します。
論理的というのは,このように,データ送受信動作を実行している間だけ
存在するデータの通り道です。

こんな説明でわかるかしら?

>②第4章のp182の図4・2で最寄りの電話局からATM網につながるところでPOI
>の位置はどこになるのでしょうか?
>よくWAN回線に接続する図にPOIという相互接続点が記載されている例が多いのですが
>この図には記載されていないので必要ないのでしょうか?

実は,ADSLアクセスサービスを提供する事業者によってPOIは違うので,
あえて図には記入しなかったんです。
電話局にDSLAMを持ち込んで設置(コロケーション)し,
インターネット接続事業者(ISP)にADSLアクセスサービスを提供する事業者だと,
スプリッタの辺りにNTTとのPOIがあるはずです。
これが,NTT東西が提供するフレッツADSLだとPOIの位置は全然違います。
図4.2の右端のさらに右にPOIがあって,その先にISPがある,という格好になります。

KOJIです。
この度はご回答いただきましてありがとうございます。
論理的というイメージがなんとなくつかめました。
CONECTで接続確立の制御データのやり取りの後接続が確立した後にデータを送受信するというのは例えると電話で相手を呼び出して相手が出たら話し、通話が終了したら電話を切るという流れのイメージでとらえればいいのでしょうか?
間違っていたらアドバイスください。

後、ネットワークの知識を現場で通用するまでのレベルにあげるには箱庭的な部分的な解説が多いネットワーク雑誌よりレベルが高くても戸田さんのような専門書を理解できるようにするほうが早道でしょうか?
自分の購読しているネットワーク雑誌ではソケットプログラムの動きについての解説は省かれていたので断片的な知識にとどまっています。
アドバイスお願いします。

>CONECTで接続確立の制御データのやり取りの後接続が確立した後にデータを送受信する
>というのは例えると電話で相手を呼び出して相手が出たら話し、通話が終了したら電話
>を切るという流れのイメージでとらえればいいのでしょうか?

ビンゴ!
そのとおりです。

>後、ネットワークの知識を現場で通用するまでのレベルにあげるには
>箱庭的な部分的な解説が多いネットワーク雑誌よりレベルが高くても
>戸田さんのような専門書を理解でき>るようにするほうが早道でしょうか?

うーむ。難しい質問ですねぇ。
一言で現場で通用するといっても,実際の仕事はいろいろで,
その立場や役割によって必要な知識のレベルは違いますから,
どちらが早道なのかはケースバイケースのような気がします。
それから,技術者として,機器やソフトウェアを動かしたり,プログラムを作ったり,
という仕事をするためには,書籍や雑誌だけではやはり不十分で,
自分で動かすなり,作るという経験が欠かせないと思います。
書籍や雑誌には,そうした経験を積むときの手助けになるというんでしょうか,
まあ,その程度のものだと思うんです。

そのときに,手助けとして役に立つ本にしたいと心がけているんですが,
そういう視点で,どういう本が役に立つのか,と考えると,
細かい面倒な部分を省略して説明したり,たとえ話で説明するより,
そのものずばりで,具体的な姿を説明した方がわかりやすし,
そちらの方が役に立つのではないかと思うんです。
たとえば,TCPコネクションの話なんか,
いきなり,電話で相手に呼び出すのと同じと説明して終わりにしてしまうより,
実際のTCPのパケットの動きを一通り見た後,結局電話と同じようなもの,
と説明した方がよくわかるんじゃないのかな,ということなんです。
細かい部分まで立ち入って説明すると,読むのも大変ですから,
なるべくなら,深く立ち入らずに説明したいと思うんですけど,
結局のところ,箱庭的な説明だと,わかったような気にはなるけれど,
やっぱり,わからないまま終わってしまうことが多いんじゃないかと思うんです。

なんか,答えになっていませんね。
ゴメンナサイ。