ブリッジのループ、CSMA/CD等について

戸根先生

クリス・ヘグリウスといいます。
ネットワーク知識でイメージできない部分を質問させて
いただきたいと思っております。
先生の本には、今までも多く助けていただきありがたく思っております。
ありがとうございます。
早速ですが、質問に移らせていただきたいと思います。

1.ブリッジのループ
・どのような状態(具体例)がループになるのか?いまいち分かっていません。
ブリッジやスイッチングハブで起こっていると考えてよいのでしょうか?
ソースルーティングやスパニングツリーなどで回避する技術もあるようですが、
それら自体もいまいち理解できません。それは、ループの意味が分かっていないからです。

2.CSMA/CDでの衝突(コリジョン)
・スイッチングハブでコリジョンは起こらないと考えてよいのでしょうか?
・コリジョンがどこで起こり、どのようにしてコリジョンが起きたと判断できるのか?
ネットワークはなぜ繋がるのか?の第三章でもこれらのことを読みました。
スイッチングハブとリピータハブでは、内部構造の違いによりスイッチングハブでは
コリジョンは発生しない全二重通信となっていると記述されています。
リピータハブは、リピータ回路内でコリジョンが発生するため半二重通信であるとも
記述されています。つまり、コリジョンはリピータハブ内部で起こっているということで、
スイッチングハブを用いた場合には、コリジョンは発生しないと考えていいのでしょうか?

色々と調べていると、イーサネットはCSMA/CDを用いており以下の動作でコリジョンを
感知しているとの事ですが、色々と情報が混在して何が正しいのか?わかっていません。
もちろん以下内容や先生の記述も正しいと思いますが、情報の整理ができていないのです。

CSMAで、だれもデータを送信していないことを確認してからデータを送信して、
CDで、データを送信しながら電圧を監視するとあります。
送信終了まで、電圧が規定範囲内であれば正常にデータが送信できたと判断し、
送信途中で、電圧が規定値範囲外となればコリジョンが発生したと判断する。
衝突が発生した場合には、送信を中止して、乱数で発生させた時間後に再送信する。

以上
よろしくお願いいたします。

名前: 
クリス・ヘグリウス
日時: 
11/07/10 19:09

コメント

クリスさん,こんにちわ。
拙著お読みいただきありがとうございます。

> 1.ブリッジのループ

ブリッジやスイッチングハブをケーブルで繋いでできたネットワークを辿っていったときに,
輪ができている状態を指します。
輪っかができていると,そこでパケットがグルグル回ります。
パケットがブロードキャストだと,ループ部分をずっと回り続け,
さらに,ブリッジやスイッチングハブがそのパケットをばら撒きます。
その結果,ブロードキャストパケットが非常に多くなり,
ネットワークは混雑した状態になります。
その状態をブロードキャストストームと呼びます。
スパニングツリーはその現象を防ぐために,ループを検出して,
ループ部分の一箇所でパケット中継動作を止めます。
すると,パケットがグルグル回る現象を避けることができます。
なお,ソースルーティングは今のTCP/IPネットワークで
使うことはないと思ってよいでしょう。

> 2.CSMA/CDでの衝突(コリジョン)

『ネットワークはなぜ...第2版』の214ページ,図3.10にあるように,
スイッチングハブのポートにコンピュータを1台だけ繋いだ状態だと,
コンピュータから出て行く信号とコンピュータに入る信号が
別々の信号線を流れるため,つまり,信号は交わりませんから,
コリジョンは起こりません。
ただし,スイッチングハブを使う場合でも,スイッチングハブとリピータハブを
混在利用するとリピータハブでコリジョンが起こります。

コリジョンは複数の信号が混じり合った状態を指します。
信号が混じり合うと,受信側で元のデジタルデータに戻せないため,
信号が壊れたと解釈します。
その状況を,パケットが衝突して壊れたと言うわけです。
この信号の混じり合いはリピータハブの内部で起こります。
つまり,リピータハブの複数のポートから信号が同時に入ってくると,
(このときの信号は受信側の信号線を流れてきます。)
リピータ回路で混じり合い,その混じった信号が
リピータハブのポートの送信側の信号線から送信されます。

こんな説明でわかりますか?

それから以下の記述は正しいですよ。

> CSMAで、だれもデータを送信していないことを確認してから(以下引用省略)

先生
早速の回答、ありがとうございます。
再度、自分自身で考察してみます。