返信

まさるさん,こんばんわ。

>通信の一番最初の状態ではパソコン同士を1対1で繋いでみるでしょうから、

これが,そうじゃないんですよ。
イーサネットっていうのは,
多数のコンピュータを,高速に,安価に,接続することを目的に考案されたものです。
だから,最初から2台じゃなくて,多数のコンピュータをつなぐことが前提だったんです。
それから,イーサネットの原型はツイストペアケーブルを使ったものではなく,
1本の長い同軸ケーブルに多数のコンピュータをつなぎ込む方式でした。
10BASE5っていう仕様が,その原型を元にして作られた標準仕様です。

>クロスケーブルの方が先に世の中に誕生したと思います。

上のような経緯がありますから,
先に登場したのはストレートケーブルの方です。
そこには背景がもう一つあります。
それは,ツイストペアケーブルっていうのは,
元々は米国で電話用のケーブルとして使われていたもので,
それをLANに転用した,というものです。
で,電話用ケーブルはストレートでした。

>・ルータはMDI-X、その他はMDI
>・ケーブルは全てクロス

元々は,
・リピータハブがMDI-X
・コンピュータはMDI
・スイッチングハブはMDI
・ルータはMDI
でした。
ネットワークには,DCE(網側のインタフェース)とDTE(機器側のインタフェース)
という考え方があるんですが,この考え方に従って,
DCEはMDI-X,DTEはMDI,というルールだったんです。
イーサネットというネットワーク方式があり,その方式の視点に立つと,
リピータハブがネットワークの本体となりますから,リピータハブのポートはDCEで,
コンピュータ,スイッチングハブ,ルータはいずれも,
イーサネットにつながる機器なので,
そのポートはDTEだということです。
でもって,DTEをストレートケーブルでDCEに接続するっていうのが元々の考え方でした。
だから,この時点ではクロスケーブルっていうのはなかったわけで,
混乱もありませんでした。

混乱するようになったのは,スイッチングハブの価格が下がり,
そこにコンピュータを直接接続するようになってからです。
昔は,スイッチングハブが高価だったので,
そこにコンピュータを直接接続するのではなく,
何台かをリピータハブにつないで,
そのリピータハブをスイッチングハブにつないでいたんです。
それが,スイッチングハブの価格が下がったので,
リピータハブを使わずに直接スイッチングハブにコンピュータをつなぐようになりました。ところが,スイッチングハブはMDIでコンピュータもMDIだから,
そのままではつながりません。
そこで,クロスケーブルが登場するわけです。
でも,この方法だと,やれクロスだストレートだ,と面倒くさいので,
スイッチングハブはMDI-Xにして,ストレートケーブルでコンピュータやルータをつなごう,
ということになりました。
これが現在の姿です。

それから,クロスケーブルが登場したときに,
これならコンピュータ同士を直接つなぐこともできる,ということになり,
コンピュータ同士を1対1でつなぐ方法が出てきたというわけです。

ちょっと長くなりましたけど,いろいろな経緯があって現在に至っているんですね。
10BASE5にまでさかのぼらないと本当の経緯はわからないんですけど,
まあ,これで大体の経緯はわかると思います。
そういう経緯が混乱の元なんですが,
その経緯がなければ今のネットワークもないので,
まあ,ある程度の混乱は仕方がないのではないかと思ったりもします。

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