返信

クリスさん,こんにちわ。

> TCPでは、コネクションの確立時にデータリンクに応じたMSSを...(以下省略)

そうですね。
パケットが通る道筋の全てのリンクのパケット長(MTU)が
送信側のMTUと同じか,あるいは大きければ,
IPフラグメンテーションは不要かもしれませんが,
そうとも限りません。
途中でMTUが短いリンクを通る可能性もあります。

現実に,そういう例があります。
たとえば,光ファイバでインターネットに接続してPPPoEを用いる場合,
PPPoEなどのヘッダが追加される分だけ,MTUは小さくなります。

たとえば,会社や家庭内のLANは,通常,MTUが1500バイトですから,
そこから送信されるIPパケットは最大1500バイトになります。
それが,PPPoEの箇所に来て,そこのMTUが1492バイトと短くなっていたとしたら,どうなるでしょう?
1492バイトを越えるパケットはその先に進めませんよね。

IPフラグメンテーションが必要なのは,そんなケースです。
IPフラグメンテーションの機能でパケットを分割して小さくしてあげれば,その先に進むことができるわけです。
これがIPフラグメンテーションの発想です。
つまり,パケットの通り道をたどったときに,MTUが小さい箇所があるかもしれないから,
そこにパケットを通すために,パケットを小さく分割する機能が必要だということです。

TCPのセグメント分割とは考え方や目的が全然違うものですから,
TCPにセグメント分割の機能があったからといって,
IPフラグメンテーションが不要になるわけではありません。

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