今後のIT分野の見通し
こんにちは、戸根勤先生。
もうだいぶ前に先生の「ネットワークはなぜつながるのか」を読んで、ネットワークについて詳しく書かれてい
たのを思い出します。
そこで、質問があります、本書とは少し関係が無いのですが無理であればスルーしてください。
ずばり、タイトル通り①「今後のIT分野の見通し」、についてお伺いしたいのです。
今後は、ネットワーク含め、IT分野はどのようになっていくと思われますか?
先生独自の見解が伺いたいです。
あとは、②「IT関連の勉強をするにあたって、理解を深めるコツのようなものがあれば、教えていただきたいで
す」
よろしくお願いします。
日時:
17/03/17 14:17
コメント
適用分野の拡大が、ビジネス拡大、投資拡大、技術発展に
匿名希望さん、こんにちわ。
拙著お読みいただきありがとうございます。
高度な質問ですね。(笑)
答えやすそうな(2)から行きましょうか。
IT関連全般に話を輪を広げると、
私もついて行けないので、
私のネットワーク分野での経験から感じていることについて書きましょう。
まず、難しそうに感じるのは、構成要素の数が多いことが主な要因であって、
構成要素の一つ一つは難しくないことが多い、ということです。
なので、その一つ一つをちゃんと理解して行けば、
全体が見えてくるように思います。
しかし、言うは易く行うは難しで、
要素の数が多いと、一つずつ理解するのに時間がかかり、
なかなか全体を理解するに至らないのが現実かもしれません。
また、昔と比べて、今は、そうした要素技術の一つ一つに関する
丁寧な解説が少なくなっているように感じることもあります。
パソコンやネットワークが世の中に広まる段階では、
知りたがる人が大勢いたので、そういう解説や情報が沢山ありましたが、
社会の基盤技術として定着してしまった今となっては、
その人数が減っているのでしょう。
とにかく、現実は難しい面がありますけど、
一つ一つ、理解するっていう方法でしょうか、やはり。
すると、その効率が"コツ"云々っていうことになりますが、
そのためには、情報源や学習方法が重要かと思います。
今、仮想化技術のおかげで、
GNS3とかのシミュレータでいろいろ実験できるようになっています。
ネットワーク機器だけでなく、
サーバやクライアントをシミュレータ内で動かすこともできますから
それで、仮想的なシステムを構築して、
パケットを見ながら、全体の動きを自分の目で確かめることができます。
そこで、分からない部分を仕様書などで調べるようにすれば、
いろいろなことが、かなり詳細な部分まで、理解できます。
解説書を書いている立場からは言いにくいことですが、
下手な解説書を読むよりずっといいです。
ポイントは仕様書の読み方です。
仕様書は、ある意味、最高の情報源ですが、
仕様書だけ読んでも理解できない場合が多いんじゃないかしら。
それが、動きを見ながら読むと、不思議と、分かるんですよ。
そうやって一つ一つを理解できたら、
何故そうなのか考えることも大切です。
具体的な動きの理解から始めて、
抽象的な考え方の理解や整理に進む、という順番がいいと思います。
そして、考え方が分かってくると、応用が利くようになります。
その際、注意点が一つ。
未熟な段階での考え方や、特定の人達に都合のよい考え方が、
普遍的な考え方として流布され、定着していることがあり、
それが正しい理解を妨げることがある点です。
これは、ITに限らず、世の常です。
いわゆる迷信や、間違った常識ってやつです。
なので、人の言うことを鵜呑みにせず、
自分の頭で考えることが大切ですし、
そういう習慣を身に着けることが重要だと思うんですよね。
長くなっちゃいましたが、(1)の方に移りましょう。
こちらの方は、
具体的に、どういう方面の見通しなのか分からないので、
的を外すかもしれません。
全体の見通しとしては、適用範囲がどこまで広がるかがポイントだと思います。
ITの場合は、最初、科学技術計算分野への適用から始まり、
それが企業活動全体へ、そして社会全体へ、
さらに、人間だけでなく、機械全般に広がろうとしています。
で、その先、何があるのかが問題ですけど、
昔から、機械全般までは想像できましたが、その先が...
すると、その先、適用範囲が広がらず、ビジネスも広がらず、
投資が進まず、技術も停滞、...うーむ。
AIも無視できませんけど、
これも適用分野の拡大という考えで良さそうに感じています。
今のところは。
でも、将来、AIが本物になってきたらどうなるのか。
バラ色の未来か!? 暗黒の未来か!?
漠然とした全体イメージはこんな感じかなぁ。
もう少し的を絞れば、具体的な話ができるかもしれません。
そうそう、一つ書き忘れました。
話題が少し外れるかもしれませんけど、
折角勉強するなら、人の後追いで勉強するより、
人に先んじて勉強することがお勧めです。
勉強して身に着けたことの価値が全く違いますから。
技術者にとっては、ここが一番重要かもしれません。
先生回答どうもありがとうございます!
先生回答どうもありがとうございます!
こんなにも、ご丁寧に解説をしていただけるとは思いませんでした。
もしかしたら、関係ない!と怒られると思いました(笑)
回答いただいた内容に関してですが、②の部分は特に自分の今後の技術向上に
役立つ情報だとおもい、感謝するとともにこれからも日々精進していきたいと思います。
特に、「一つ一つをじっくり見る」、「仮想化技術を使う」、「都合のよい情報である場合があるので自分でよく考える」、
といった部分が参考になりました。
問題の①ですが、これもとても知りたかったことの一つです。
僕が一番関心があり、心配してもいるのがAIでした(専門的な知識はありませんが)、
ずばり先生もそのことに触れられており、おっ、とおもいました。
海外の著名な経営者や学者もAIは議論する価値があると語っていました。
(見知った限り「ビルゲイツ氏」「ウォズニアック氏」「イーロンマスク氏」
「ホーキング氏」らが主にそうでした)
議論する価値というのは、つまり、危険性もあるということですね、むやみに危険性を煽ったり、
不安になる必要も無いのでしょうが、どうしても、きがかりです。
例えば、ビルゲイツ氏は、機械(ロボット(産業用ロボ))に税をかけるのがいいのでは?
といっていましたし、
イーロンマスク氏は、2017年中に脳とコンピュータを接続するというようなことも言っていました。
これらの情報から、AIにより機械産業が高度化し、人間の代わりをするロボットが非常に優秀になり、
人件費を抑える傾向へ向かい、その結果、
人間の雇用はどうなるのか?
既存の職業はどうなるのか?
経済はどうなるか?
つまり、便利さの代償を払う必要が出てくるのでは?と考えてしまいます。
気になることばかりです(笑)
技術者として、仕事をしていくことを念頭に置いてはいるのですが、
なんだか、罪悪感のようなものすら、感じざるを得ない気がしてきました。
と、まあ長くなってしまい、申し訳ありません。
僕としては、技術者として、「人と技術がよりよい関係」で存在していける未来が望ましいので、
そのことを頭に置き、これからも考えていくつもりです。
先生回答どうもありがとうございました。
便利さの代償?? 罪悪感???
> こんなにも、ご丁寧に...
答えられる質問には答える、という方針ですから。(笑)
> AIにより.....経済はどうなるか?
産業革命の当初から、何か新しい技術が出てきたときは、
いつも、同じような議論が交わされてきたようです。
昔、コンピュータが登場したときにも、同じような話があったそうです。
機械で済めば、人は要らなくなりますから、
そういう話が出るのは当然です。
しかし、その問題は克服されてきました。
新しい技術によって新しい産業が生まれることにより、
経済全体が発展してきたからです。
そこでのポイントは
新しい技術によって、新しい産業が生まれ育ち、
それが、失う分を上回って、経済全体が発展できるかどうかです。
加えて言えば、今の経済の本質は、
簡単にいうと、自転車操業ですから、
足が止まったら倒れてしまうので、
全体の発展を止めることはできません。
> 便利さの代償...
この点をよく理解して、
代償云々ということを考えないといけないように思います。
代償を考えて足を止めてしまったら、全体がダメになるんですから。
その辺の話は、技術論の範疇を超えてしまいますが、
技術者もそうした考え方の基本は知っておくべきだと思っています。
といいますか、社会を構成する皆がこういうところを正しく理解しないと、
間違った方向に向かう可能性があるんじゃないかしら。
> 「人と技術がよりよい関係」...
私も良い関係を望みますが、この言い回しには違和感を感じることがあります。
というのは、
本当は人と人との関係なのに、
それを人と技術の関係という言葉にすり替えているように感じることがあるからです。
作る人と使う人の関係だったり、
作る人と雇う人の関係だったり、じゃないですかね。大体は。
今は、まだ、そんな段階だと思います。
なので、代償云々を過大に捉えたり、
罪悪感云々というところに向いてしまうのは
違うような気がします。
と一言、言いたくなってしまったので、
蛇足ながら、返信させてもらいました。
返信どうもありがとうございます。
返信どうもありがとうございます。
先生のおっしゃるとおり、
「新しい技術によって、新しい産業が生まれ育ち」
となることを、願います。
また、
「本当は人と人との関係なのに、
それを人と技術の関係という言葉にすり替えているように感じることがあるからです」
これに関しましては、人と炊飯器、人と電車、人とAI、という意味において、
人と技術という言葉を使っているのであって、間違えでは無いと考えています。
もちろん、その便利さで人が豊かになることがメインと考えられるので、その先に、人と人との関係が、
あることは、承知しております。
そして、代償と罪悪感にかんしてですが、
これは、今後の技術(ここではAIとしておく)に関して国際的に”議論”する必要があると考え、
それが、”十分になされていない”と感じます。
つまり、それにより、代償を払わねばならなくなる可能性があり、
そのような現状から、罪悪感を感じる(もっともこれは、個人的なものです)。
ということです。
あとは、
「足が止まったら倒れてしまうので、全体の発展を止めることはできません」
とありますが、僕もそうかんがえます、したがって早急に問題点を”議論”し、
”健全に発展”していくべきだと、考えています。
僕の言うことが、ただのたわごとや勘違いであればそれで、僕は幸せです(笑)。
ネガティブな方に行って欲しくないなぁ、って思っただけです
> 間違えでは無いと考えています。
そうそう、間違えではないです。
私の書き方の方が良くなかったです。
私が違うって書いたのは、
あまりネガティブな方に行って欲しくないなぁ、って思っただけです。
最初の私の返信が少しネガディブな感じだったので。
最後の一節で、そんな心配は不要な印象を受けましたけど、
まあ、念のため。
もう、超蛇足です。
ずいぶん長い間、返信しようかどうかまよったのですが、
ずいぶん長い間、返信しようかどうかまよったのですが、
一応、お礼だけいっておきたいので、返信することにしました、
これからも、技術や疑問点、または、
ちょっとした質問(これは、極力技術論とは無関係ではないものにしようと注意します)
をさせて下さい。
先生ありがとうございました。
ポジティブに向上していきます!
返信ありがとうございます
わざわざ返信いただけて嬉しいです。
少しはお役に立てたかな、と思えますから。
何でも、遠慮なく、書き込んでください。